R8・2・10研究発表会 特設サイト
更新日:2026年1月13日
こちらは、令和8年2月10日(火曜日)に行われる令和6・7年度墨田区教育委員会研究協力校 研究発表会のための特設サイトです。新しい情報を随時アップロードしてまいります。本校の研究については、本ホームページ「第三吾嬬小学校の研究(令和7年度)」を合わせてご覧ください。
墨田区立第三吾嬬小学校 研究発表会 案内(参加申し込み)



参加申し込み・分科会希望調査
学習時間の公開の後、体育館にて研究発表会を行います。発表会は3部形式で行います。第1部は児童による質疑応答、第2部は研究発表と教育委員会による指導講評、第3部は本校の研究を支えてくださった3名の講師の先生方による講演となっております。会場準備の関係で、事前に第3部の講演会の参加希望を取らせていただきます。こちらのURL https://forms.office.com/Pages/ResponsePage.aspx?id=DQk4Z7ESz0eb_P0SyOn0vhs6FmDBLaBHqQoAvD2phqdUMjk4TEVJNEZLODdXMzJRRFBYN040WDJLQy4u&origin=QRCode または、チラシにありますQRコードからご回答をお願いいたします。

1次案内
本校の研究を導いてくださった講師の先生方紹介
西留安雄先生
西留安雄先生
日本新たな学び方研究開発ネットワーク代表。元東村山市立東萩山小学校・大岱小学校長。
高知県教育委員会スーパーバイザー・高知県教育センター若年研修アドバイザーを経て、高知県津野町・越知町・安田町・大月町・三原村、群馬県高崎市、長野県青木村、北海道南富良野町、沖縄県南城市、同与那国島、熊本県荒尾市をはじめ、全国各地の授業改善・学力向上の指導に当たっている。大岱小学校在職中、文部科学省学力向上推進事業推進校として学力向上の研究を進める。大岱小学校には校長として7年間在職し、この間、指導困難校だった同校を、授業と校務の一体改革で、都内でもトップクラスに引き上げた。
ホームページ 『西留安雄の教育実践』 https://www.nishidome-yasuo.net/
著書 『子供が自ら学びだす「教えない授業」を創る』 『超多忙な教師たちを救う学校改革の極意』『どの学校でもできる!学力向上の処方箋』『学びを起す授業改善』他 (出版社:ぎょうせい)
(以上、ホームページ プロフィールより)
澤田 稔先生
澤田 稔先生
上智大学 総合人間科学部教授 教職・学芸員課程センター長
【研究テーマ】
福祉的再編を基軸とした次世代型公教育システムの開発
公立デモクラティック・スクールのカリキュラム・教育方法論に関する日米比較研究
話し合い活動を重視した道徳授業の根本原理となる批判的討議倫理学の理論的基礎研究
日本における多文化教育の構築に関する研究−外国人児童生徒とともに学ぶ学校教育の創造
現代アメリカ合衆国における批判的ペダゴジーの最前線:ポストNCLBの理論と実践へ
現代アメリカにおける道徳教育のポリティクス:批判的教育研究から見た人格教育の諸相
【論文】
「批判的教育学から見た学習指導要領改訂動向の現状と課題ー現代日本におけるカリキュラム・ポリティクス試論」 (2025.10)
「社会的公正という視点から「個別最適な学び」なるものを問い直すー「個性化教育」の可能性の所在ー」 (2025.09)
"A Practical Logic of Socially Just Education in Late Modernity and its Inevitable Dilemmas: Suggestions from Critical Educational Studies" (2023)
「新学習指導要領における『探究』的学習の実践的意義と諸課題:デューイの『探究』論を手掛かりに」(2020.09.15) 他
(以上、上智大学研究情報データベースより)
「公正な教育と個別最適な学び」 https://youtu.be/GttxR75atw0?si=3AtZTwkTP-TLc5hj
(独立行政法人教職支援機構「単元内自由進度学習から考える『子どもを主語にした個別最適な学び』セミナーの歩き方」より)
中島雅子先生
中島雅子先生
埼玉大学教育学部 教授 OPPA論研究会会長
公立高校の理科(化学)教師として30年間勤務したのち、2015年から埼玉大学教育学部准教授、2025年より現職。専門分野は、自己評価による資質・能力の育成とその評価、自己評価による学習・授業改善。
【論文】
「OPPA論における「問」の質とその効果に関する研究:中学校理科「電気」単元におけるOPPシートの活用を中心として」(2020)
「理科教育における授業改善のための教師の自己評価ーOPPA論を中心としてー」(2019)
「構成主義に基づく概念の形成過程を重視した授業のあり方:ー「生成的学習モデル」を中心としてー」(2013)
(以上、Researchmap より)
【主な書籍等出版物】
「OPPAでつくる授業:一枚ポートフォリオ評価論ー中学校理科編ー」堀哲夫、中島雅子(編著者) 東洋館出版社(2024.07)
「OPPAでつくる授業:一枚ポートフォリオ評価論 小学校編」堀哲夫、中島雅子(編著者)東洋館出版社(2024.03)
「一枚ポートフォリオ評価論OPPAでつくる授業」中島雅子 東洋館出版社(2022.12)
「自己評価による授業改善ーOPPAを活用してー」中島雅子 東洋館出版社(2019.08)
令和8年2月10日(火曜日) 学習時間公開 学習活動案 (準備中)
本校の研究テーマ 「主体性」「主体的である(Being proactive)」の定義
「主体性」 「主体的である」とは
本校の研究が始まった令和5年度は、1年間をかけて「主体性とは何か?」「どんな時に『主体的な』姿が見られるのか?」など、本質的な問題に取り組んでみました。そして、本校が研究を進めるにあたり「主体性」「主体的である」とは、
〇自分で考えて、自分の言動を選択・決定する (自己決定)
〇自分で選択・決定したことについて、責任をもつ (自己責任)
という態度のことであると定義しました。
「自主性」と「主体性」の違いは?
「主体性」とよく似た言葉に「自主性」という言葉があります。本校の研究では、その二つの言葉をはっきりと使い分けることにしました。なぜなら、どちらの言葉も「自分から進んで」という意味であることは変わりありませんが、「自主性」は、子供自身の考えや思いから発出されるものではなく、他者(親、先生、仲間など)の期待(例:「こうすれば親は喜ぶだろうなあ」「こうしないと先生に怒られるな」など)への忖度から出てくるものです。子供の「自主性」を期待するのは、大人のほうで、親や教師は、例えば「自主的に宿題をやってほしい」という願いを強くもっています。
それに対して、「主体性」は、あくまで子供本人からにじみ出てくるものです。子供自身の「こうしたい」「こうなりたい」という純粋な思いから出てくる行動が「主体的な」行動であり、そこには他者の期待などは介入していません。
私たちは、子供を「主語」にする、というのは、このようなことであるとはっきり区別することにしました。
子供の「主体性」は、どのような場面で見られるのか?
令和5年度の研究で最も重要視したのは、「主体性とは何か?」と同時に、子供の主体的な様子とはどのようなものであり、どんな場面で見られるのかというものでした。そして、1年かけて様々な講師の話を聞いたり、書籍を読んだり、授業(当時はまだ「授業」と呼んでいた)研究をしたりする中で、最終的に私たちが見出したのが
〇児童の主体的な姿は、「遊び」に夢中になっているときに見られる
〇児童の主体的な姿は、仲間との協働的な活動の中で頻繁に見られる
という事実でした。
この発見により、本校の目指すものが、学習指導要領が最重視する「主体的・対話的で深い学び」と同じものであることが確認されたのです。
児童の良さを認め、全体に紹介
教師の役割 「指導者」から「伴走者」へ
一問一答式の一斉指導では、教師の役割は「指導者(教える人=TEACHER)」として、いかに子供の興味・関心を引き出し、わかりやすく教えられるかが重要視されてきました。ですから、これまでの学校の研究は、基本的に「指導法の研究」であったと言えます。
本研究で、子供たちが主体的に課題解決学習に取り組み始めてみると、教師の役割が180度変わってきました。まず、自分が教えている間にはなかなかできなかった子供たちの「見取り」が可能になりました。子供たちの学習活動を見てまわると、「この子はこんなことに気付いているのか。」「こんな発想をしていたのか。」など、子供たちの思考が良く見えるようになります。そこで、教師は子供たちの間を歩きながら、「いいね。」「へー、そんなことに気づいたんだ。」「どうしてそう思ったの?」などと声をかけていきます。この声掛けは、子供たちのやる気を引き出し、思考を深める「評価」そのものになります。このように、子供の良さを見取り、声をかけることが「形成的評価」となり、子供自身の学びを加速さえ、質を高めていきます。
教師のこのような態度は、学級全体に影響を与えます。形成的評価が頻繁に行われている学級では、子供同士もお互いの良さを認め合う雰囲気が醸成されていきました。学級が「居心地の良い場」になり、問題が起こりにくい集団への変化していきました。
子供の学びの「伴走者」となること。それは、教師の新しい役割、「見取りと評価」の精度を高めていくことに他なりません。
令和6・7年度 研究の概要 (本校の研究はこれまでの教育研究と何が違うのか?)

これまで、学校で行われてきた「研究」とは?
教師が選択・決定したテーマ、方法、内容で 教師が設定した「理想像」に 子供をどのように近づけられるか、高められるか、その方法(手段)=「指導法」の研究であった。
第三吾嬬小学校の進めている「研究」は…
子供は本来「主体的」であり、良くなりたい・成長したい存在であると信じ、これまで大人が決めた枠組の中で抑圧されてきた子供を解放し、子供の主体性を信じ、任せ・委ねることによって子供自身がどう伸びていくのかを見取る研究である。すなわち、
(1)「指導法」の研究ではないので、教師が考える「理想の児童像」は設定しない。子供を信じ、任せ、委ねてみたら、子供はどう伸びていくのかを見取る研究である。
(2)「指導者」としての教師の役割から脱皮し、新たな役割である「伴走者」としての資質・能力を高めるための研究である。

これまでの子供たちの様子

これからの子供たちの様子


児童の主体性を引き出すための「第三吾嬬小学校的アプローチ」

「子供が『主語』になる学校」にシフトするには、これまでの学校の在り方を根本から問い直し、本気で教師が決めた枠組みを取り払う必要があります。これは「コペルニクス的転換(J.デューイ『学校と社会』1899)」であり、「明治維新級の転換(現学習指導要領)」と呼ぶに値する大転換です。
日本の教師はまじめで、本当によく努力している。頑張っている。それなのに、学校の抱える課題は膨らむばかりで、日本は今、不登校が35万人を超え、子供の死因の第1位が「自殺」であるという深刻な状況にあります。なぜ、こんなことになってしまったのでしょうか。
これまで私たちは、子供のために良かれと思って、「善意」で、子供たちを大人の考えたレールに乗せ、枠組みに押し込もうとしていたのではないでしょうか。子供は本来、主体的な存在であり、良くなりたい、成長したいと思っています。かつて、小学校を退学になり、トモエ学園で学んだ黒柳徹子さんは「子供の幸せを考えるとき、私は与えることよりも、奪わないことだと思うのです。」と語っています。子供を信じ、子供に任せ、委ねてみたらどうか? そこから、私たちの研究はスタートしました。
「児童が主体となる『学習時間』の創出」 (学習改革の概要)
「授業(教師主導の一斉指導)」から「(児童が主体となる)学習時間」へ
学習リーダーが進める「セルフ学習」
教師主導の「一問一答式一斉指導」の特徴
・教師の役割はTEACHER 「指導者」である
・何を教えるか、どう教えるかは教師が決める
・教師は黒板の前に立ち、児童は全員黒板に向かって座る
・児童は静かに座って、教師の指示に従うことが求められる
・教師が児童の活動をコントロールするため、発言する際には挙手が求められる
・教師は計画的な板書を行い、児童はそれを指示されたとおりに写す
・伝達された知識の定着を図るために、一律の宿題が課される
・教師の指示通りに活動する児童が「良い子」と認められる など
教師が『主語』であることが前提の学校では
「授業」「指導」「教材」「教具」「教授」「教科書」などの用語が頻繁に用いられる
子供が『主語』になる学校(「令和の日本型学校」)が目指すものは
・何を学ぶのか、どう学ぶのかは学習者(=子供)が決める
・学習者は、常に他の学習者や教師と協働的に学習することができる
・学習者は、学習環境(座席、学習材、個・集団等)を自ら選択・決定できる
・教師の役割はFACILITATOR 「伴走者」であり、COACH 「コーチ」である
(「ファシリテーター」とは、「共同探究者」「よき質問者」であり、その心構えは、
・安心して話せる場をつくる。
・道に迷わないようにする。
・「わからない」を見つける。 (『本質観取の教科書 みんなの納得を生み出す対話』集英社新書 より)
第三吾嬬小学校は、教師が「主語」である学校から子供が「主語」になる学校への転換を図るために、これまでの学校の常識を丁寧に吟味にかけ、「教師主導」から「児童主体」の学校へと軸足を移すことに挑戦しています。教師主導の「授業」ではなく、児童が主体となる「学習時間」へ ー 私たちが何の抵抗もなく使っていた用語そのものを見直すことには、このような意図があります。
考察方法
第三吾嬬小学校における学習活動では、児童が主体的に考えを深めることを目的として、ワールドカフェやジグソー学習などの協働的なスタイルを取り入れました。これらの方法では、ペアやグループで意見を交流し、役割を分担しながら情報を整理し、課題解決に向けて協力することが求められます。活動を通して、児童は自分の考えを言語化し、仲間の意見を取り入れることで視野を広げ、より深い理解に到達する姿が見られました。
4つの学習スタイルは以下の通りです。
○ワールドカフェでは、グループで話しながら自分の考えをホワイトボードや模造紙に記入し、グループを移動しながら考えを深めていきます。
○ゼミナール型では、少人数でテーマについて議論しながら学習を進めます。課題発見から課題解決まで、グループの仲間と協働的に学習を進めるスタイルです。
○グループ集合型では、ペアやグループで意見を交流し、他のグループとも協力して課題を解決する学習スタイルです。
○ジグソー学習では、情報収集や整理の役割を分担し、自分の課題を責任感を持って調べ、持ち寄ることでテーマに対する理解を深めていきます。
さらに、3色マーカーやロイロノート、ホワイトボード、ふせんなどのツールを活用することで、考えの可視化が進み、学習の見通しを持ちながら取り組む様子が見られました。児童は活動の流れを理解し、次に何をすべきかを自ら判断する力を身につけています。これにより、単なる意見交換にとどまらず、目的意識を持った協働的な学習が実現しました。
今後は、こうした学習スタイルを継続し、児童が自分の考えを深めるだけでなく、他者と協働して新たな価値を創造する力を育成していきたいと考えています。
R6〜R7年度 各学年の取組 (実践記録、学習活動の記録)
学習面での改革に取り組んだ本研究では、通常の教科の学習(S)と生活・総合的な学習の時間を中心としたPBL(P)の側面からのアプローチを試みました。Sでは、一問一答式の一斉指導からの脱却を図るための「三吾(さんあづ)スタンダード」に基づく、「セルフ学習」や「学習リーダー」による学習時間の進め方、自由進度学習等に取り組んでみました。Pでは、課題設定から課題解決に至るプロセスを子どもに任せ、委ねることにより、児童自身が主体的に探究的課題解決に臨むことができるような、教師側の「軸足のシフト」を図りました。
ここでは、各学年がどのような取組を行ってきたのかを紹介します。
評価改革 「自己評価」「形成的評価」へのシフトチェンジ・OPPA論の導入
本研究を進めていく中で、テーマである「主体性の育成」は、それ自体が「目的」なのではなく、自己肯定感を高め、子供自身がウエルビーイングを獲得するための「手段」であるということが明らかになってきました。自己肯定感を高めるためには、子供自身が自分でやってみる体験が欠かせません。言われたことをやっているだけでは、達成感や充実感を味わうことはできません。もっと子供を信じて、やらせてみること。そして、その様子を「見取り、評価」することが重要であるとわかってきました。
研究のこのような流れから必然的に、私たちは「評価」観を見直すことに挑戦することになりました。
これまでの「通知表」に代表される「総括的評価」は、目標に準拠した観点別評価ではあるものの、何がどう良くなってきたのか、どこに課題があるのかなどが見えにくく、どうしても「人と比べる」評価になりがちでした。これが、子供たちの良さを見出し、やる気を引き出すよりも、むしろ自分はダメな存在であるというマイナスの作用に働くことが多かったのではないでしょうか。
子供たちの「良さ」を見取り、良さを伸ばすような評価を、もっともっと大切にしたい。子供たちに任せてみたことによって、子供自身の「自己評価」がいかに大切かに気づくと同時に、教師の役割が変わる中で、私たちは「形成的評価」こそが必要であると考えるようになりました。

令和7年度に通知表を廃止するまでに、本校では令和5年度に、従来の通知表のうち、文章で評価を行っていた部分や行動の記録(教科の観点別評価と総合所見以外の部分)を、すべて子供の「自己評価」に変更しました。さらに、令和6年度には、キャリアパスポートとの連携を図り、自己評価の部分をキャリアパスポートで示し、教科の観点別評価と総合所見のみに変更しました。
通知表がなくなった分、前期・後期に全家庭の保護者面談を実施し、ポートフォリオを見ながら、何が、どうできるようになったか、また課題は何かを説明することにしました。そこで大変有効な資料となったのが、学習時間に作り上げた「OPPシート」です。
OPPA(一枚ポートフォリオ評価)論とは

こちらの書籍を参考に研究を進めました
OPPA(One Page Portfolio Assessment)論は、山梨大学名誉教授の堀哲夫が開発した画期的な評価論です。
OPPA(「オー・ピー・ピー・エー」と読む)とは、概念や考え方の形成過程に注目した評価で、「自己評価」を重視しています。使用するのは、OPPシートというたった1枚の紙で、これが他のポートフォリオ評価とは一線を画するところです。
まず、学習前に、子供(=学習者)はその学習で学ぶことについての「(単元を貫く)本質的な問い」に対して、自分の考えを書きます。学習中には、毎時間の最後に「今日の学習で一番大切なこと」という学習履歴を記述します。どちらも限られたスペース内に簡潔に記す必要があるため、子供たちは自ずと学習内容を頭の中で整理することになります。これは学習者自身が自分の学びを客観視(自己評価)することにほかなりません。
そして、子供たちがそのシートに表現したものを教師が見取り、簡単なコメントを記すことが有効な形成的評価になります。加えて、シートには子供の学習中の思考が可視化されているため、教師にとっても、自己の指導を振り返り、次の指導に生かす(教師自身の「自己評価」)ことができます。そして、単元の最後に、始めと同じ「(単元を貫く)本質的な問い」に対する自分の考えを記し、それを学習前の自分と比較しながら、自己の成長を客観的に見て、単元を通しての学習の「自己評価」を行います。これらすべてが、たった1枚のシートの上に表されるところが、このOPPシートの極めて優れた部分です。
OPPシートの実際 (「OPPAでつくる授業」小学校編 東洋館出版社より)

内側

外側

家庭学習改革 一律の「宿題」の廃止と「自学のすすめ」

4年生の自学ノートより
「今日習った漢字を10回ずつ書いてくる」などの一律の宿題は、一人ひとりの子供の実態に即していません。ある子にとっては必要のないもので、ある子にとっては難しすぎる課題となりがちです。そのうえ、「宿題」は無理やりやらされるものとなり、言われる(怒られる)からやっているという子がほとんどです。
それでも一律の「宿題」はなくなりませんでした。それは、子供のためというよりも、むしろ親や教師の安心材料だったからにほかなりません。「宿題」が出続けている間は、子供は自分で考えて、必要な学習をするという習慣はつきません。
さらに、宿題は家庭で行うものです。現代は、家庭の様子は様々で、同じ「宿題」が出されても「多すぎる」「少なすぎる」という両極端な意見が学校には寄せられています。子供の教育の責任は保護者にあります。家庭でどう学習するのか、また、学習するかどうかは、家庭が考えるべき問題です。
また、教師にとっては、子供の学力は学校の学習時間内でつけさせる責任があります。学校で解説だけして、「家で練習して、覚えておいてね。」というのはこれまで当たり前のように行われてきましたが、本校では「子供の学力は、学習時間内につけさせる」ことを再確認し、一律の「宿題」を前提にして学力をつけさせるという考え方をやめることにしました。そのうえで、学校の学習時間が充実して、学ぶことの楽しさを知った児童は、必ず家庭でも学習できるようになると信じ、学習時間の改革に取り組んでいます。
これからの時代は、子供たちが自ら課題を設定し、自分の良さをどんどん伸ばしていくことが求められています。一律の宿題を廃止し、子供自身が自分で学ぶ習慣をつけさせるために、本校では「自学のすすめ」を使って、子供たちに学ぶことの楽しさを伝えています。

自分で学ぶ「自学のすすめ」
令和5年度から段階的に一律の宿題をなくすことを予告し、令和6年度の後期から一律の宿題を廃止しました。子供たちに「自学のすすめ」を配布し、学級で家庭学習の進め方について指導をしました。全体の半数の子供たちは、自分で見つけた課題に熱心に取り組むようになりました。一律の宿題をやらなかった子が、自学には取り組むようになったという例もありました。
とは言え、特に低学年の保護者は宿題がないと何をさせれば良いのかわからないという声を数多く聞きました。そこで、令和7年度からは6年間を通して、自ら課題を見つけ、家庭学習をするのが当たり前になるような取組を始めました。低学年では、担任から課題を提示して、児童に選択させる。中学年では、1週間の家庭学習の予定表を作らせて、自分で進められるようになるように教師が個別にアドバイスを行う。そして、高学年になった時には、自分で必要なことに取り組めるようにする。
はじめは何もやらなかった子が、自分から家庭学習をするようになるまでには時間がかかる場合もあります。子供の主体性を信じ、温かく見守りながら待つことが重要です。

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